【文楽観劇】令和8年1月3日 壺坂観音霊験記 連獅子
初春文楽公演初日 第三部
壺坂観音霊験記
連獅子
1年前、私は同じ1月3日の初春公演の第一部から観劇するため
体調不良の中、無理して弾丸日帰りツアーを敢行し、
体力的にきつかった。
その反省点を踏まえ今年は
・体調を万全に整える
・1泊する
という自分を大切にするスケジュールを立てた。
行きの新幹線から暗雲が立ち込める。
私は絶対に新幹線の席を予約しないことにしている。
なぜなら、「何かあってその新幹線に乗れないかもしれない」という
強迫観念じみたものに突き動かされているから。
普段は予約しなくても大抵は指定席を確保できるのだが
今年の1月3日は土曜日。
帰省ラッシュのど真ん中であった。
岡山ー新大阪の指定席を買おうとしたが全滅である。
私は絶対に新幹線は指定席を買うことにしている。
それには理由がある。
東京に住んでいた頃、帰省先の岡山から東京に戻る時
名古屋あたりで大雪のためストップしてしまい
東京ー岡山間が片道5時間以上かかったことがあった。
その日は自由席だったので連結部分に立ったまま
いつ動くかわからない新幹線の中から窓の雪を恨めしく眺めていた。
それ以来、絶対に指定席を買うことに決めたのだ。
「絶対に予約しない」「絶対に指定席」
このこだわりが今回おおいに裏目に出てしまった。
発券場のモニターは数時間先の指定席が埋まっていることを表示していた。
自由席なんて何十年も取ってなかったので
みどりの窓口でどうしたらいいいか?ときくと
「席がなければ通路とか連結部分に立つしかないです」と返された。
新幹線のホームで待っていると
「大変混雑しているため自由席は乗車が困難です、他の車両の通路なら乗れます、時間になったら発車します」という
JR西日本の半ギレのような諦めのようなアナウンスが流れた。
やばい と勘を頼りになるべく空いてそうな車両のホームに移動した。
なんとか乗れたが指定席車両の通路で立つことになった。
まあ、新大阪までなのでそんなに苦でもなかった。
通路は私のような移動難民でギッシリだった。
席に座っている若い母親に抱かれている赤子がぐずりだした。
やばい SNSでよく見るヤツだ、
誰かがうるさいとかキレ散らかすかもしれない。
違っていたらごめんだけど、私の前の前に通路に立っていたおじさんが
一瞬、ちょっと怪訝そうな表情をしたように見えた。
車内は誰も身動きがとれない状況。
私は速攻で「赤ちゃん 動画」を検索し
子ども向けのYoutubeを消音にして赤子に見せた。
私と赤ちゃんだけがわかる角度で。
赤ちゃんって、こんなに目をかっ開くんだ?ってくらい
その子は目をまん丸にしてYoutubeにくぎ付けになり、
ぐずりがピタっと止まった。よかった。
私だけではない。
私の前に通路に立っていたおばさまは声と表情で赤子をあやし、
私の後ろにいた外国人ファミリーは「Oh~So~Cute~」などと言ってほんわか雰囲気をずっと出していた。
赤子が泣いたら誰かが怒りだすという
日本の事情を知らない外国人は思ったままを表出したのだろうが
結果見事な連携プレイである。
その事に気づいた母親は(すみません…)と目で恐縮し何度も会釈をしていた。
恐縮する必要なんて全然ない。
周りに気を遣うお母さんを見ると胸が痛くなる。
赤子は本来ぐずったり泣いたりする生きものなのである。
どう考えたって文句を言う奴が頭おかしいのである。
赤子のぐずりにイラっとくるような、世間知らずで思いやりのない余裕のない奴がいたら
人生相談に乗ってあげたいくらいである。
新幹線は無事に新大阪に着いた。
今年は余裕を持ってホテルを取った。
APAホテルだった。
宿泊料はお値打ちなのに部屋の隅々まで行き届いていて清潔で感動した。
(社長の本が部屋にあった。本気で読みたいと思った)
本題
【壺坂観音霊験記】
盲目の夫とその妻は夫婦仲良好。
妻が夜な夜な家を出ていくので夫は「浮気か?」と勘繰り
ある日妻を問い詰める。
妻は毎晩夫の目が見えるようにと壺坂寺にお参りに行っていた。
それを知った夫は「おれさえいなければ妻は幸せに」とネガティブ思考に陥り
妻に連れられた壺坂寺で谷に身を投げてしまう。
用事を終えて寺に戻った妻は夫の身投げを悲観し、自分も身を投げる。
一部始終を見ていた観音様が、夫婦を生き返らせ、
夫の目も見えるようになった。
魔法のような
お正月にぴったりのハッピーエンドである。
文楽でハッピーエンドってどちらかというと少ない(心中して終わり)ような気がするので
生き返るというのも珍しいし
観音様の人形も珍しいし
人形がとても美しいし
新春にふさわしい良い演目であった。
【連獅子】
「獅子の子落とし」というストーリーが一応付随してあるが
そこはさくっと流して
紅白の髪の毛ブンブン回しがめでたい!!という見せ場の演目であって
わー正月!!という楽しいものであった。
・にらみ鯛
新春公演中に舞台の上に飾られるモニュメントのようなもの。
鯛を拝んで気分もアガる。
新春公演は場内に海老や鏡餅、にらみ鯛の小さいやつとかを飾っていて
本当におめでたい雰囲気。
私は今回スケジュールにゆとりを持たせたくて第三部からの観劇にしたが
新春初日の第一部に合わせて来場すれば
人形による鏡開きと日本酒の振る舞いがある。
アガる。最高すぎん?
私は昨年、第一部から観ようとしていろいろやらかしてしまったので
※【文楽観劇】令和7年1月3日 新版歌祭文 仮名手本忠臣蔵 参照
今年の鏡開きはパスした。
・イヤホンガイド
今回は事前に予約してしっかりゲットしたが
壺坂観音霊験記は世話物でわかりやすい話だったし
連獅子はストーリーがあってないようなものだし
あまり要らなかったかな。
着けたりはずしたりして鑑賞した。
とはいえ
イヤホンガイドは解説の他に補足や裏話もあってとても面白いです。
次回も予約すると思う。
・東京と大阪 会場のお客の違い
個人的感想ですが
大阪ではお洒落しても普段着でも誰でも楽しめる。大阪は本場。馴染みがある。外国人はバックパッカー風の人が多い。
東京は着物を着こなし洋服もドレッシーで、外国人はそれなりに小綺麗にしていて日本にリスペクト持ってます!みたいな人。
私は今回の大阪来場時「着飾らずいこう」と思いグレフーパーカーでした。
ふらっと寄れるのが粋、みたいな。
気合いを入れて着物をびしっと着付けても行きたいです。どちらも楽しい。
・2025年の自分の総括
というお題でYoutubeに雑談トークを上げています。
そこで今回の文楽についても話しているので
よかったら見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=vxO7J_rhisU
獅子

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