ほかげ/Don't Worry Darling/Basic Instinct/What's Eating Gilbert Grape/I, Tonya/疑惑
映画備忘録
2025夏
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ほかげ (2023)
監督:塚本晋也
日本映画
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Don't Worry Darling (2022)
邦題:ドントウォーリーダーリン
監督:Olivia Wilde
アメリカ映画
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Basic Instinct (1992)
邦題:氷の微笑
監督:Paul Verhoeven
アメリカ映画
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What's Eating Gilbert Grape (1993)
邦題:ギルバート・グレイプ
監督:Lasse Hallström
アメリカ映画
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I, Tonya (2017)
邦題:アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
監督:Craig Gillespie
アメリカ映画
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疑惑 (1982)
監督:野村芳太郎
日本映画
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『ギルバート・グレイプ』
ずっと観たかった映画がアマプラにあった。
ディカプリオのリアルに迫った演技、
ジョニーデップが当時の自己を投影した演技の素晴らしさなど
間違いなくこの映画は名作で、長年語り継がれていくことだろう。
アイオワ州の田舎町エンドーラ(架空の町)に住むグレイプ一家。
知的障害を抱える弟アーニーと
父親不在の家族で父の代わりに家族をケアしているギルバート。
摂食障害を持つ巨漢の母は一家のボスで、
貧しいながら姉も妹も兄弟全員が助け合って生きている。
アーニーは高いところが大好きで、時々町の貯水塔に登ってしまい
警察沙汰になるが、そんなアーニーの救出劇は
のどかな田舎町ではちょっとした娯楽にさえなっており、
町の人は奇異の目を向けつつゆるく一家を見守っている。
一見、ほのぼのとした田舎あるあるな光景である。
長く生きられないと言われていたアーニーがめでたく18歳を迎えるということで
ママが指揮して誕生パーティーを開くことになった。
【知的・精神・発達障害と映像作品】
私が今までに観たことのある映画をリストアップしてみる。
フォレストガンプ(境界知能)アメリカ・1994年
レインマン(自閉)アメリカ・1988年
アルジャーノンに花束を(知的)アメリカ・1968年
アイアムサム(知的)アメリカ・2001年
フェリーニの道(知的)イタリア・1954年
17歳のカルテ(精神)アメリカ・1999年
イン・ハー・シューズ(LD)アメリカ・2005年
母なる証明(知的)韓国・2009年
月(知的入所施設)日本・2023年
梅切らぬバカ(自閉)日本・2021年
『月』のみ当事者本人が出演しているので例外ではあるが、
それ以外は健常者の役者が障害者を演じている。
どの映画も素晴らしいのだが
ギルバート・グレイプのディカプリオは何と言うか光り輝いているというか
まさにママが言う「サンシャイン」のような存在だ。
演技の技術が高く、
グッバイとおやすみの挨拶をわざと間違えてみせるとか
知的の人と実際に過ごしてみないとわからないような細かいリアルを入れている。
どこまでリアルにして大丈夫かというラインもいい塩梅にキープしていると思う。
【問題山積み】
一見あたたかいホームドラマに見えるが全然違う。
家族病理(父の自殺と母の摂食障害)を兄弟全員が抱え込んでおり
その中でも一番負担が大きいのがジョニーデップ扮するギルバートで
ママとアーニーにとって最大のケアラーのため身動きが取れずにいる。
恋をしようものならアーニーが事故を起こしてしまい引き戻されてしまう。
父の自殺、母の摂食障害、ヤングケアラー、障害者のきょうだい児問題、
共依存、貧困といった問題が家族を取り巻いていて、
薄くて危うい愛情というベールが物語を辛うじて包んでいる。
【食べ物と貧困】
具のないパスタ、スイカ、揚げ物だらけの食卓。
アメリカ中部~南部(実際の撮影はテキサス州)の様子が見えてくる。
貧困が日常であるのが理解できる。
※日本ではスイカは夏の風物詩で今や高級フルーツだが
アメリカ南部では黒人奴隷の食べ物とされており
貧困層の食べ物という偏見がある。
ボロネーゼは「アデル、ブルーは熱い色」で貧困層の食べ物として描かれていた。
(うろ覚えだが「グラン・ブルー」だったかな?ジャンレノのママが具のない大盛りのパスタを出していたような。具がなくて驚いたので覚えている)
揚げ物は貧しいアイルランド移民がアメリカに持ち込んだ食べ物という印象だ。
19ドルのアーニーの誕生日ケーキを食べられてしまい
ギルバートの精神の糸がぷつっと切れる瞬間、
「あのケーキいくらしたと思っているんだ!!」と怒鳴って
アーニーをぶってしまうシーン。19ドルは彼にとって大金なのだ。
【家族を捨てられない主人公】
近所にできた大型スーパーマーケットに脅かされる小さな食料品店でバイトするギルバート。
友達は安定した職業の葬儀屋の息子だったり、
ハンバーガーショップに就職してキャリアアップをしているが、
ギルバートの人生は停滞していて、本人もそれに気づいている。
家族の事情に足を絡められ、町を出ることすらできない。
ある日、トレーラーハウスで旅をする女性に出会って
少しずつギルバートの心境が変化していく。
ラストのまさかの解決法、
ギルバートが擦るマッチの箱は
「keep away from children」
の文字のアップ。
「お子さんの手の届かないところに保管してください」
という注意書きがなんとも風刺が効いている。
【Dust to Dust】
映画と全然関係ないけれど
お葬式のシーンで神父様が
「earth to earth, ashes to ashes, dust to dust」
と言っていて、それがキリスト教の弔いの文言だと気づいた。
Cloud Oneの曲に「Dust to Dust」という
大好きな美しい曲がある。それこそ自分の葬式で流して欲しい曲。
私が死んだらこのアルバムを棺に入れて欲しい。
ウチにオリジナル版があるので…
『ほかげ』
役者さんも子役も良くて見ごたえがあった。
単なる戦争映画ではなくホラー味があり視聴時は体力が必要。
『ドントウォーリーダーリン』
フローレンス・ピューが好きなのと
ブックスマートの監督さんということで視聴。
『氷の微笑』
未見だったので映画教養として視聴。面白かった。
その後のシャロン・ストーンの人生を知った上で観るのは感慨深い。
この頃のマイケルダグラスはエロティックスリラー男優のイメージがある。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
主にバカと毒親しか出てこない。
なぜマーゴットロビーはこの映画をやろうと思ったのか。
虐待やDVって対等にやり返したらバトルなんだな…って認識してしまうくらい
暴力シーンがとても多くて登場人物のキャラも立っていて
確かにテンポが良くてポップなのだけれど
実際の被害者がいて存命で
しかも被害者の名前が事件名になっているので
こんな楽しげな映画を作ってもいいんだろうかとちょっと複雑な気分。
『疑惑』
大好きな映画で定期的に何度も観る。
登場人物全員「最高ね。」


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