She Said (2022)
映画「She Said」を観て
思う事を書きました。
#SheSaid
#HarveyWeinstein
#ジャニーズ
#MeToo
#ジャーナリズム
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「She Said」について考察する。
この映画は
ミラマックスという映画会社の
ハーヴェイ・ワインスタインというプロデューサーが
数十年に渡り映画に関わった俳優や女性スタッフを
性暴行しそれを隠匿し続けた事件を
NYタイムズのジャーナリストが告発した実話を基にした物語である。
2017年に実際にあったこの告発は
2006年から始まるMeToo運動が爆発的に広まったきっかけとされ
映画ではワインスタイン、記者、被害者が実名で描かれ、
被害者の俳優本人も出演している。
映画はドラマチックな音楽で盛り上げるでもなく
疾走感溢れるカーチェイスシーンなども出て来ず
ドキュメンタリータッチで進行していくので
リアリティが醸し出され観るこちら側も真剣になってくる。
映画では2人の女性記者
キャリー・マリガン扮するミーガン・トゥーイーと
ゾーイ・カザン扮するジョディ・カンターが
口を閉ざした被害女性の話を細心の注意を払いながら
プライバシーを最優先に丁寧に聞き出し
実名が出せるかどうか粘り強く説得する。
そして”本丸”ミラマックスの弁護士や財務担当者にも
堂々と対峙し事件に鋭く切り込んでいく。
ワインスタイン側から抗議を受けても
無言電話の脅迫があっても
2人は冷静に取材を続行する。
NYタイムズの記者チームや上司は彼女たちを全面バックアップし
信念に基づき告発記事の発表へと向かっていく。
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映画の鑑賞を進めていくうちに
いま日本で大問題になっている
ジャニーズ事務所の創業者である
ジャニー喜多川の性加害問題について考えずにはいられなかった。
なぜならワインスタイン事件とジャニー喜多川の事件が酷似していたからだ。
頭の中を整理しながら考えていく。
【2つの事件の共通点:加害(者)の特徴】
・加害者は絶対的な影響力を持つエンタメ界の権力者である
・加害者がプロデュースするエンタメ作品は多くのファンを魅了し獲得した
・加害行為に及ぶ手口がほぼ同じパターンである
・ワインスタインは出演者や売れる前の俳優やスタッフ、喜多川はJr.と呼ばれるデビュー前の少年をレイプした
・何十年もの長期間によって性犯罪が行われていた
・性加害の数が多く被害規模が甚大である
・被害者が加害行為に抵抗するとその後のキャリアを潰されたり邪魔されたりした
・被害者側が被害後に抗議すると加害者はその声を潰して無かったことにした
・加害行為の噂が長期間エンタメ業界に存在していた
【2つの事件の共通点:権力構造の問題】
・加害者は権力者で被害者は弱い立場の人間という関係性があるため被害者は声を上げられない、上げにくい状況が生まれた
・加害者の会社内では誰もが見て見ぬふりをしてこの問題を放置した
・加害者はマスコミをコントロールして犯罪を隠匿した
・マスコミは不可抗力的でなく自分たちの利益のために加害者を守り共犯関係にあった
【ワインスタイン事件よりジャニーズ事件がさらに酷い点】
・被害者は児童、未成年がほとんどである
・犯行に及ぶ際は子どもから保護者を遠ざける(帰されるなど)
・性行為に及ぶ際、受け入れればデビューなどの仕事を与える等子どもにちらつかせ我慢させる
・被害者は過去のグルーミングや洗脳状態が現在も続いている
・加害者は事務所所属アーティストのファンもコントロールする構造を作り、ファンの口も塞いだ
・一部のメディアを除きマスコミ関係者は知っていて何もしなかった
・一部メディアや元所属タレントが何度か告発したが加害者は権力を使って潰した
・マスコミは利権欲しさから芸能部署などにいわゆる「ジャニ担」と呼ばれる加害者分子を置いて犯罪が明るみに出ようとするたびにもみ消したり、加害者の都合の良い情報を流すようにした
・警察も見て見ぬふりを続けたため加害者は犯罪者として罰せられず社会的制裁を受けていない(ワインスタインは解雇・逮捕され有罪判決を受けて服役中)
・ワインスタインの会社は破産したがジャニーズ事務所はまだ存在する(2023年9月14日現在)
・海外メディアの取材や国連の聞き取り調査といった外圧があるまで事務所もメディアもこの問題をスルーし続けた
・共犯関係にあった大手マスメディアからの公式謝罪が全くない(2023年9月14日現在)
・元社長以外、加害者の事務所の取締役や幹部が表に出ていない(2023年9月14日現在)
・犯罪者を堂々と賞賛する利害関係が一致すると思われる芸能人や音楽アーティストが複数存在する
・加害者事務所はマスコミ(NHK理事)行政(国税局麻布税務署長)政治官僚(大蔵省・財務省・環境省官僚)OBを天下りさせて権力を増大させてきた
そのほかにも
・性加害の見返りに少年に金銭を渡し交通費として領収書を切らせた脱税疑惑
・Jr.と呼ばれるデビュー前の未成年に飲酒や喫煙をさせた未成年者飲酒禁止法・未成年者喫煙禁止法違反
など、余罪がぼろぼろと出てきそうな事件でもある。
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話をSheSaidに戻す。
NYタイムズの女性記者2名が
ワインスタインの性犯罪を告発したあと
今まで声を上げることができなかった多くの被害女性の告発が続いた。
ワインスタインは告発記事が出たその月に自らの会社を解雇され
のちに逮捕され禁固23年の実刑を受けている。
当時、被害を受けた俳優のグウィネス・パルトロウと付き合っていたブラッド・ピットが
グウィネスから性被害の話を打ち明けられ
自分のキャリアを顧みずワインスタインにくってかかったらしい。
映画SheSaidの制作会社がPLANBというブラッド・ピットの会社で
製作総指揮の一人に彼の名前があるのはとても感慨深い。
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後記
20年以上前からジャニー性加害問題を追っていた
あるジャーナリストによると
ジャニー喜多川の性被害を苦に
自殺した被害者が何人もいるということだった。
わたしが考える
【再発防止のためにやらなければいけないこと】
ジャニーズ事務所は解体し、現所属タレントをすみやかに他事務所に移籍させること。
マスコミはテレビ局であればNHKを筆頭に各主要キー局のトップが連名で被害者に対し謝罪声明を出すこと。新聞社、出版社も同様に謝罪声明を出すこと。そして性犯罪が成立しうる全ての構造を排し再発防止に全力で取り組むと表明し実行すること。
私も含め一般の人は、性犯罪という社会問題を自分ごととして捉えること。声をあげること。被害者の気持ちを想像すること。家族や友人とこの問題について会話をすること。とても大切だと思う。
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